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樹脂板、ポリカーボネートから雨どい、波板、排水ます、床材まで多彩なプラスチック製品。

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トップメッセージ

プラスチックの無限の可能性を追い求め、豊かな社会の実現に貢献します。タキロン株式会社 代表取締役社長 兵頭 克盛

人と社会の「安全」「便利」「快適」を創る、支えるプラスチック

サヘル創業は1919年とお聞きしました。まもなく100周年ですね。

兵頭2020年は東京オリンピック開催の年ですが、当社はその前年に100周年を迎えます。創業当初はセルロイドをつくっていましたが、これは可燃性で燃えやすいため、現在は主に燃えにくい塩化ビニール樹脂、ポリカーボネート樹脂などで製品を作っています。

サヘルポリカーボネートとは、どういう樹脂ですか。

兵頭軽量ですが衝撃に強く、断熱性、耐候性に優れた樹脂で、主に採光建材に使っています。例えば「ルメカーボ」という製品は厚み40ミリで、光は透過しますが、向こう側は見えません。体育館やプール周囲の外壁などに使われ、太陽光を採り入れつつ断熱効果もあるため、昼間の電気使用量を低減できます。従い省エネになるので、当社では「省エネソリューション」としてご提案しています。

サヘル光は入れるけれども、遮断するものはする、ということですね。不思議です。日本は地震国ですから、軽量で衝撃に強い点でも、素晴らしい製品ですね。

兵頭日本では当社だけが作っています。電気使用量を低減できるため、CO2排出量の削減効果の高い製品として今回、「低炭素杯2016」環境大臣賞金賞を受賞しました。
このルメカーボは連結して使いますが、板状でなく、ハニカム構造にすることで剛性を持たせています。そのため「たわみ」が少なく、建屋の大きな開口部に使えるのです。実際に、ジャンボジェット機の格納庫の扉や壁面にも使われました。軽量なので、70メートル×90メートルの建物を、中に柱を立てずに作れたのです。またポリカーボネートは、非常に耐衝撃性にすぐれることから、新東名高速道路などの透光板としても多く使われています。

サヘル東京オリンピックの会場にも使ってほしいですね。今まで私は、プラスチックというとペットボトルのように手で簡単に曲げられるものというイメージしかなかったのですが、省エネ面や安全面に使われるなど、とても幅が広く、奥の深いものであることがわかりました。

兵頭当社ではその他に医療用の製品も取り扱っています。骨折手術では骨を接合するために金属製の骨接合材が使用されますが、多くの場合、治癒後にその骨接合材を摘出するために再手術の必要があります。しかし当社の骨接合材は生体内で分解吸収されるため治癒後も再手術の必要はありません。

サヘルプラスチックが、ですか。それはどうしてですか。

兵頭それは生体活性を持った素材を使っているからです。この製品は、日本では当社が最初に製品化しました。

サヘルプラスチックはそこまでできるのですか。驚きです。

兵頭また「ペテックバイオプレート」という製品もあります。これは植物資源(バイオマス)を原料の一部に使用しており、地球温暖化をもたらすCO2を削減するとともに、化石燃料の使用を低減し資源の有効活用にも貢献できる製品です。

タキロングループが目指す、プラスチックのモノづくりとは

サヘル建物の一部にもなるし、体内に入れて医療にも使えるし、……このあと、プラスチックはどこまで進化していくのでしょうか。

兵頭際限はないと思いますよ。プラスチックは、耐久性が低いのが難点でしたが、添加剤や補強材を加えるなどして、寿命を延ばしてきました。このように他の素材と組み合わせることができることもプラスチックの進化を支えていくものと考えます。

サヘル今、中東で内戦によって街などが破壊され、多くの負傷者が出たり、住む場所が失われたりしています。そういうところで、地球環境に良い、体にも害のないプラスチック製品が再建に役立ってほしいと思いました。

兵頭当社にはカーポートなどの屋根として使われる、波形状の「ナミイタ」という製品がありますが、これは仮設住宅に適しているということで、経済産業省から、災害時の継続的な供給を強く要請されています。薄くて軽量ですが、波形状にすることで上からの圧力に耐えるようになっていて、これを使うと簡単に屋根ができるのです。

サヘルこの製品も連結できるのですか。

兵頭ええ、「ルメカーボ」のように順番に並べて連結することができます。また鶏・豚・牛などの育舎に使用される畜産ナミイタという製品も同様に連結できます。

サヘルまさに多才ですね。プラスチックの一番の魅力は何だとお考えですか。

兵頭さまざまな分野で使用される素材の代替が可能な点です。一部の用途では金属の代替も可能です。

サヘル御社は多岐にわたってプラスチック加工製品を作られていますが、他のプラスチック加工会社もそうなのですか。

兵頭当社が最も多種多様な分野に関与していると思います。特に熱可塑性樹脂加工の分野では、一部の用途を除き、様々な用途に対応できる技術を持っています。

サヘル御社の昨年度の環境・CSR報告書で、御社のモノづくりの特集を読んだのですが、プラスチックで今までにないものを作りたいという、現場の方たちの強い気持ちを感じました。

兵頭基本的にプラスチックは、自社で材料を配合したり、表面処理をすることで、いろいろな機能を付与できます。例えば表面硬化処理をしたポリカーボネートはスマホの前面板などにも使用されてます。

サヘルポリカーボネートなら、軽いし、画面も割れなくて済みますね。私たちが日常生活で使う多くのものが、プラスチックによって、知らないうちに便利になっているのですね。

兵頭最近は防災関連製品も手掛けており、市街地でゲリラ豪雨が発生した際、建物や地下街の入口に設置する止水板を作っています。これで1メートルくらいの高さの壁を作り、地下鉄や地下街への水の侵入を防ぐわけです。ところが普通の止水板は金属板を使っていて、重くて女性では扱いづらい場合もありますが、当社の技術力でプラスチック化することで、女性一人でも設置が楽にできるようにしたのです。
また、避難誘導を実現する蓄光式床材という製品もあります。これを床や階段に張り付けておけば、夜間に災害が発生し停電した際でも、光って避難誘導に役立つという製品です。この製品は蓄光顔料により、昼間当たった紫外線でエネルギーを蓄積して、約12時間、発光することができます。

サヘル地震の多いイランにも、是非届けたい製品です。海外へはどれくらい進出されているのですか。

兵頭これまで当社は国内市場を中心に製品販売を進めてきましたので、輸出による海外比率は5%くらいです。輸出も含めた海外市場での製品販売を現状から倍増するため、当社では中国の常州とインドネシアのスラバヤに工場を設けて、「地産地消」ということで、現地に合ったものを現地で作り販売するかたちを目指しています。

失敗を恐れることなく、次世代のため未知の課題に挑戦

サヘルこれまでのお話で、時代の一歩先を見て製品づくりをされていることがよくわかりました。きっと発想やアイデアが製品になるまでには、長い時間がかかるのでしょうね。

兵頭製品ができて、お客様に認知されるまで含めると、10年くらいかかるものもあるでしょうか。製品を理解していただくまでに時間がかかるのです。サヘルさんはご自分でペルシャ絨毯を織られていると聞いていますが、やはり完成までにいろいろと試行錯誤をされるのではないでしょうか。

サヘルええ、します。絨毯の作り手としては、他の人が作ったことのないもの、使う人が喜んでくれるもの、20年後、30年後にも残るものを作っていきたいではないですか。絨毯づくりは、1日8時間かけて3ミリしか進まない根気のいる仕事ですが、糸の使い方を変えたり、使う素材を変えたりして、いろいろとアイデアを試します。失敗の方が断然多いのですが、100回やって99回失敗しても、そのうちの1回成功すればいいと思っています。失敗って成功につながることがありますから。

兵頭成功事例よりも、失敗事例のほうが役に立ちますね。そして良いものを作るためには、いろいろな工夫と技術を丹念に積み重ねていくことが重要ですね。

サヘル御社の昨年度の環境・CSR報告書を読んで、失敗しても、それを活かせればといいという企業風土があるように思いました。

兵頭そうですね。次の世代のために役立てたいという考えもあり、先行投資も積極的に行っています。

サヘル技術の良さを活かしながら今の社会に合ったものを作っていくために、絨毯もそうなのですが、今、何が求められているのか、常にアンテナを張っておくことも大切ですね。

兵頭当社でその役割を担うのは営業担当の一人一人です。各担当がお客様のニーズを引き出すことで、商品企画や開発の確度が上がり、モノづくりの技術が活かせるのです。

サヘル先ほど、次世代のためというご発言がありましたが、御社は経営理念で、地球環境の保護ということを第一に挙げていらっしゃいますね。

兵頭地球温暖化が進む中で、地球環境の保護は非常に大事です。当社では、製品そのものをリサイクルできるものにしていくことから始めて、工場においても、製品以外は外に出さない活動、つまり排出物などの単純埋立て、単純焼却をゼロにする「ゼロエミッション」活動にグループ全体で取り組んでいます。

社会の期待に応え、新しい価値を届け続けていくために

サヘル素晴らしい製品を送り出し、社会の期待に応え続けていくために、何が重要とお考えですか。

兵頭2015年度から「CC2017 & Beyond」という中期経営計画をスタートさせましたが、その中で大事にしているのが「経営品質」です。モノづくりではお客様の満足度を高めていくことが重要ですが、そのためには従業員の満足度も高める必要があります。それによって一人ひとりが自立していくことで、変革を生み、プラスチックの新しい価値を創出していく。グループをそのような集合体にしていくことが経営品質の向上であると考えています。

サヘル事業を続けていく上で、社会との関係も重要になってくると思います。

兵頭そのためには、まずコンプライアンスプログラムや倫理綱領の遵守が重要です。また、東日本大震災もあり、供給責任という観点も含めて、事業継続計画を策定しました。一方、社会貢献的な活動として、当社は競泳日本代表オフィシャルスポンサーとして「トビウオジャパン」を応援。またタキロンマテックスは日本身体障がい者水泳連盟の水泳振興活動を応援しています。

サヘル水泳振興活動の応援とは、具体的にどういうものですか。

兵頭プールサイドに床材を使用してもらっています。この床材には、表面に細かな凹凸を付けて水が流れやすくしたり、清掃しやすくしたり、見る角度によってデザインが違って見えるなど、いろいろな工夫を施しています。

サヘルそれは大変な気配りですね。まさに「メイドインジャパン」という気がします。

兵頭そうかもしれないですね。日本では、このような繊細な対応が評価してもらえますから。

サヘル最後になりますが私は漢字が大好きなのですが、御社のプラスチック製品を漢字一文字で表すとしたら……。

兵頭やはり「夢」という文字ですね。今日はご紹介していませんが、再生エネルギー関連の水力発電設備に使用されるプラスチックパイプなども作っています。このようにプラスチックは、そのときの課題に成型加工で柔軟に対応することができます。皆さんが求めるもの、つまり夢を形にすることができるのです。

サヘルありがとうございます。プラスチックの素敵な形、未来の形が見えました。今日お聞きしたプラスチックの話を、他の人に伝えたくなりました。

兵頭プラスチックの可能性は、無限大にありますからね。ありがとうございました。